カンティヨン [ベルギーのビール]
ベルギーのカンティヨン・グーズです
ラベルは小便小僧です。古典的なアイコンも食品のラベルになった瞬間シュールな前衛へと早変わり。う~んつくづく世の中は相対で成り立っている。
世界のビールの99.9パーセントは人工的に培養した純粋な酵母を使って麦汁を発酵させ、求める味を作り出しています。
んでも世界で唯一、ベルギーのブリュッセル郊外の一地域では伝統的に、空中に浮遊していたり醸造所に住み着いている野生酵母を使って何年もかけて発酵させる、という実にワイルド&スローなビールを作ってます。
全てが自然任せ、神と酵母のみぞ知る、という環境で作ったビールが何でこんなにもんまいのか。
自然の力もそりゃすごいんだろうけど、自然に振り回されつつもそれに追随しぬく人間の底力に心底恐れ入りました。
休みだったので昼過ぎからだらだら呑んでました。
部屋のカーテンを開け放ち、夏至は過ぎたとは言えまだまだ長い夏の夕陽を浴びながら野生酵母と戯れてました。
やがて陽が落ちてきて、カンティヨンの黄金色が徐々に褐色を帯び、読んでいた本の字も小便小僧もだんだん見えなくなっていき、夕陽を浴びながら微睡んでいる中で、スローモーションみたいに闇がやってきました。
「夜」を実感したのは何ヶ月ぶりだろう。照明のスイッチオフで作られるデジタルな夜をここ数ヶ月過ごしてきた猫背には、グレーゾーンのあるアナログな夕暮れはあまりに新鮮でした。
世の中にはゼロかイチかで整理しきれないものはたくさんある。それを整理しようとするから無理が生じる。論理だ法則だなんていっても所詮は事象の最大公約数。
もっともっと右脳で生きたいなあ、と、自然にまみれて過ごして強く思いました。
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