京都麦酒 蔵のかほり 【清酒酵母で醸した麦酒】 [日本のクラフトビール]
京都麦酒 蔵のかほり
ななななんと、日本酒の大手、黄桜酒造による麦酒ですん
しかも日本酒の醸造に用いられる清酒酵母をビール醸造に用いたという実にアバンギャルドなビール。
黄桜には他にも、古代エジプトで栽培されていた小麦を復元させてビール造りに用いた「ホワイトナイル」「ルビーナイル」などのラインナップもありますな。日本酒の蔵元だからきっと保守的なビールなんだろう、という先入観を軽く蹴散らす、気鋭の醸造所です
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
いただきま~す
栓を抜いた瞬間わかります。これは何かが違う日本酒の吟醸香のようなほのかに甘い香り。ホップの存在感は鼻にも舌にもほとんど感じられません。
黄金色の淡色ビールなのに苦くない。麦酒天動説の呪縛にとらわれたニッポンジンにはかなりの衝撃でしょう。
原材料は麦芽とホップだけなのに、副原料に米を上手に用いたビールみたいに、麦芽のコクがすっきりと楽しめます 程よい酸味と最後に感じる微小な辛味で、何だか白ワインやシャンパンみたいな果実酒っぽさ。これだからビールは面白い
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
このドラマの立役者は言うまでもなく、清酒酵母です。
酵母の醸造時の仕事を簡単に言ってしまうと、糖を分解してアルコールと二酸化炭素に変えること。この時同時に、「エステル」と呼ばれるフルーティな香りのもととなる化学物質も生成し、これがビールや日本酒の特有の香りを生み出すのです
ちなみにビールは種類によってエステル香が「望ましい」とされるものと「望ましくない」とされるものがあります。日本で一般的な淡色ピルスナーには「望ましくない」ので、ほとんどエステルは感じられません。「望ましい」の身近な例は、銀河高原ビールに代表される小麦ビール「ヴァイツェン」です。ヴァイツェンのアイデンティティとも言えるあのバナナ香こそが、ヴァイツェン酵母が生み出したエステルでございます
日本酒はあんま詳しくないのですが、おそらく日本酒の香りは米の香り、麹の香りと清酒酵母が生み出すエステルが中心なのではないかと思われます。
その清酒酵母が今回は米ではなく麦汁の中で大活躍。結果としてモルトのやわらかい香りの中に日本酒の吟醸香が香るという、2in1な実にあっぱれなビールができあがるわけです
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
【ビール情報】
京都麦酒 蔵のかほり
原材料 麦芽、ホップ
Alc. 4.0%
【醸造所情報】
黄桜株式会社
【URL】
黄桜HP
http://kizakura.co.jp/ja/products/beel.html
コメント 0