南紀白浜ナギサビール 【猫背的夏休み・後編】 [現地に突撃♪]
続き~
ちなみに前編はこっち→http://nekoze-beer.blog.so-net.ne.jp/2009-07-23
白浜での豪遊の翌日、向かったのは和歌山。そして目指した店は・・・
ねこまた屋さん(再) だってランチ食べたかったんだもん
というわけでアメリカンウィートと一緒に日替わりランチ。いや~昼酒はいいなあ 優越感と背徳感の合わせ技一本
ランチんまし マニアックなアメリカのクラフトビールを並べているお店だとは思えないほどのハイクオリティ。ビールも料理もハイグレードという実に稀有なお店です
ちなみにねこまた屋さんがある和歌山市の「じゃんじゃん横丁」って、こんな感じです。
国籍不明の異次元空間に迷い込んでしまったみたいなトリップ感 愉快な場所でした
というわけでナギサ漬けの3日間だったのてすが、呑んだ数を帰ってから勘定してみました。
アメリカンウィート 樽生×3
ペールエール 樽生×5、瓶×3
う~んよく呑んだ うち8割は2日目に消費してます。ちなみにこの他にもいろいろ呑んでおります笑
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
白浜では一日たっぷりかけてブルワー(醸造士)の眞鍋さんの話をうかがえました。ナギサを呑むたびに思っていた「流行にとらわれないマイペースさ」を、実際にお会いしてより強く感じました
数年前に麦芽が値上がりしたことあったぢゃないですか。普通ならば麦芽の使用量を減らしたり使う麦芽を変えたりと、コスト重視の対応をするところです。が、何とその時にナギサは、用いる麦芽の量を増やしたそうです この変化はアメリカンウィートにより顕著に出ていますが、どちらも香味がより強くなり、コクを増しています。
こういう思い切った経営判断ができるのは、ブルワーさんが社長を兼ねているという日本の地ビールの中では極めて特殊な企業形態による部分も大きいとは思うのですが、それにしても大英断ですな
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
コンペティションへの参加だってそう。ナギサは参加するつもりが全くないそうです。
世の中にはビールを審査する品評会(コンペティション)がいろいろあるわけですが、たいていは「んまいかんまくないか」という主観的な評価だけではなく、「そのビールがスタイルに合っているかどうか」という客観的な評価も行われます。
音楽に喩えれば、「ハードロック」というジャンルはかくあるべし、ギターの音の歪み度合いはこれくらいで、ベースの音圧はこう・・・と定義をした上で、ディープパープルとクイーンとレッドツェッペリンの中ではどれが上記の「ハードロック」の条件を一番満たしているか、を審査するようなものです。
ちなみに日本地ビール協会のスタイルガイドラインによると、「アメリカンペールエール」はこのようにスタイル定義されています。
「色合いはゴールドから薄い銅色。苦味、アロマ、フレーバーのいずれもが著しく際立っている。モルト風味は低~中。ミディアムボディ。麦芽のカラメルフレーバーは低。フルーティなエステル香は中~高。」
ナギサのペールエールを呑んだことある人ならすぐにお分かりでしょう。この中にナギサペールエールの魅力を説明するに足る言葉がほとんど見当たらないことが。
これは決して、スタイル定義なんてナンセンスだ、と言っているんぢゃありませんよ。川相の送りバントのように、スタイル通りの香味を毎回出せるというのは並大抵の醸造技術ではできないことです。そういうビールには高い評価が与えられてしかるべきでしょう
でもナギサはそんなモノサシには目もくれず、ひたすら我が道を行っているわけですよ。自分がんまいと思うビールを衒わずに、惑わされずに醸し続けるピュアさがたまらんではないですか
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
何かにつけてニホンジンって、ジャンル分けして仕切りをつくりたがるぢゃないですか。音楽の好みがまさにそう。CD屋に行けば各コーナーを分類して「ロック」「ハードロック」「パンク」「オルタナティブ」「Jポップ」、果ては「ビジュアル」なんて分類まで。ビジュアルって、音の特徴ぢゃないじゃん笑
で、ほぼ間違いなく、日本ではジャンルまぜこぜの音楽はたいてい評価低いぢゃないっすか。じゃがたら然り、ニルヴァーナ然り。日本はニルヴァーナを筆頭とする90年代初頭のグランジ/オルタナティブロックを正当に評価できなかった、世界の中でも数少ない国の一つです
ジャンルの壁を飛び越えようとする気鋭の音には「実験的」なんて形容詞がつけられて、それを大多数の人は「未熟の」と読み替える。んで、誰もが心に思い描くような予定調和的な「お手本音楽」には高い評価が与えられる。ナンボのもんじゃい、ですよ、まさに。
とまあ、ガキの頃からあっしはこういう恣意的な垣根に違和感を覚えていたわけなのですが、それはビールの世界に入っても同じです。スタイル通りのビールももちろん好き。だけど、スタイルの壁を悠然と飛び越え、想像の世界で遊んでいるみたいな愉快なビールには何とも言えない親近感を覚えるのです
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
なんかいろいろ話はそれましたが、結論、んまい
ちなみに、真鍋さんが今考えている「次に造ってみたいビール」の案も少しだけ聞けました そのビールとは・・・
(thinking time BGM:渚のバルコニー)
秘密 ナギサの栓抜き10個集めたら教えてあげます
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
【URL】
ナギサビール
http://www.nagisa.co.jp/
ねこまた屋
http://www11.ocn.ne.jp/~katze/index.html
【関連記事】
この記事の前編 http://nekoze-beer.blog.so-net.ne.jp/2009-07-23
ペールエール(マニアックです) http://nekoze-beer.blog.so-net.ne.jp/2009-02-27
昨年BARLEYに行った時の記事 http://nekoze-beer.blog.so-net.ne.jp/2008-08-29-1
ちなみに前編はこっち→http://nekoze-beer.blog.so-net.ne.jp/2009-07-23
白浜での豪遊の翌日、向かったのは和歌山。そして目指した店は・・・
ねこまた屋さん(再) だってランチ食べたかったんだもん
というわけでアメリカンウィートと一緒に日替わりランチ。いや~昼酒はいいなあ 優越感と背徳感の合わせ技一本
ランチんまし マニアックなアメリカのクラフトビールを並べているお店だとは思えないほどのハイクオリティ。ビールも料理もハイグレードという実に稀有なお店です
ちなみにねこまた屋さんがある和歌山市の「じゃんじゃん横丁」って、こんな感じです。
国籍不明の異次元空間に迷い込んでしまったみたいなトリップ感 愉快な場所でした
というわけでナギサ漬けの3日間だったのてすが、呑んだ数を帰ってから勘定してみました。
アメリカンウィート 樽生×3
ペールエール 樽生×5、瓶×3
う~んよく呑んだ うち8割は2日目に消費してます。ちなみにこの他にもいろいろ呑んでおります笑
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
白浜では一日たっぷりかけてブルワー(醸造士)の眞鍋さんの話をうかがえました。ナギサを呑むたびに思っていた「流行にとらわれないマイペースさ」を、実際にお会いしてより強く感じました
数年前に麦芽が値上がりしたことあったぢゃないですか。普通ならば麦芽の使用量を減らしたり使う麦芽を変えたりと、コスト重視の対応をするところです。が、何とその時にナギサは、用いる麦芽の量を増やしたそうです この変化はアメリカンウィートにより顕著に出ていますが、どちらも香味がより強くなり、コクを増しています。
こういう思い切った経営判断ができるのは、ブルワーさんが社長を兼ねているという日本の地ビールの中では極めて特殊な企業形態による部分も大きいとは思うのですが、それにしても大英断ですな
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コンペティションへの参加だってそう。ナギサは参加するつもりが全くないそうです。
世の中にはビールを審査する品評会(コンペティション)がいろいろあるわけですが、たいていは「んまいかんまくないか」という主観的な評価だけではなく、「そのビールがスタイルに合っているかどうか」という客観的な評価も行われます。
音楽に喩えれば、「ハードロック」というジャンルはかくあるべし、ギターの音の歪み度合いはこれくらいで、ベースの音圧はこう・・・と定義をした上で、ディープパープルとクイーンとレッドツェッペリンの中ではどれが上記の「ハードロック」の条件を一番満たしているか、を審査するようなものです。
ちなみに日本地ビール協会のスタイルガイドラインによると、「アメリカンペールエール」はこのようにスタイル定義されています。
「色合いはゴールドから薄い銅色。苦味、アロマ、フレーバーのいずれもが著しく際立っている。モルト風味は低~中。ミディアムボディ。麦芽のカラメルフレーバーは低。フルーティなエステル香は中~高。」
ナギサのペールエールを呑んだことある人ならすぐにお分かりでしょう。この中にナギサペールエールの魅力を説明するに足る言葉がほとんど見当たらないことが。
これは決して、スタイル定義なんてナンセンスだ、と言っているんぢゃありませんよ。川相の送りバントのように、スタイル通りの香味を毎回出せるというのは並大抵の醸造技術ではできないことです。そういうビールには高い評価が与えられてしかるべきでしょう
でもナギサはそんなモノサシには目もくれず、ひたすら我が道を行っているわけですよ。自分がんまいと思うビールを衒わずに、惑わされずに醸し続けるピュアさがたまらんではないですか
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
何かにつけてニホンジンって、ジャンル分けして仕切りをつくりたがるぢゃないですか。音楽の好みがまさにそう。CD屋に行けば各コーナーを分類して「ロック」「ハードロック」「パンク」「オルタナティブ」「Jポップ」、果ては「ビジュアル」なんて分類まで。ビジュアルって、音の特徴ぢゃないじゃん笑
で、ほぼ間違いなく、日本ではジャンルまぜこぜの音楽はたいてい評価低いぢゃないっすか。じゃがたら然り、ニルヴァーナ然り。日本はニルヴァーナを筆頭とする90年代初頭のグランジ/オルタナティブロックを正当に評価できなかった、世界の中でも数少ない国の一つです
ジャンルの壁を飛び越えようとする気鋭の音には「実験的」なんて形容詞がつけられて、それを大多数の人は「未熟の」と読み替える。んで、誰もが心に思い描くような予定調和的な「お手本音楽」には高い評価が与えられる。ナンボのもんじゃい、ですよ、まさに。
とまあ、ガキの頃からあっしはこういう恣意的な垣根に違和感を覚えていたわけなのですが、それはビールの世界に入っても同じです。スタイル通りのビールももちろん好き。だけど、スタイルの壁を悠然と飛び越え、想像の世界で遊んでいるみたいな愉快なビールには何とも言えない親近感を覚えるのです
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
なんかいろいろ話はそれましたが、結論、んまい
ちなみに、真鍋さんが今考えている「次に造ってみたいビール」の案も少しだけ聞けました そのビールとは・・・
(thinking time BGM:渚のバルコニー)
秘密 ナギサの栓抜き10個集めたら教えてあげます
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
【URL】
ナギサビール
http://www.nagisa.co.jp/
ねこまた屋
http://www11.ocn.ne.jp/~katze/index.html
【関連記事】
この記事の前編 http://nekoze-beer.blog.so-net.ne.jp/2009-07-23
ペールエール(マニアックです) http://nekoze-beer.blog.so-net.ne.jp/2009-02-27
昨年BARLEYに行った時の記事 http://nekoze-beer.blog.so-net.ne.jp/2008-08-29-1
いつも(笑)ありがとうございます。
和歌山のビール好きの皆さんに、お昼ビールを楽しんでいただきたくて続けているランチタイム営業ですが、このところイベントなども重なってさぼりがちなうえ、天候不順で冬場よりもお昼ビールのお客さんが少ないもので、猫背さんにナギサビールを楽しみに来ていただけたのをとても嬉しく思っております。
コンペティションやガイドラインのスタイルのこと、まったく同感です。
もともとはビールを飲む楽しさを拡げるはずのスタイルやテイスティングの知識が、ビールの飲み手の心に、次のいつかの次の1杯が美味しいのかも知れないビールに対して、壁を作ってしまったり、ビールの作り手の意欲を盛り上げるはずのコンペティションが、かえって、作り手の想像力を枠に閉じこめてしまうことも、あるのか知らんと、心配な気持ちになることが私もよくあります。
目の前にあるビールを通じてその向こうにいるいろんな人とつながっているんだという気持ちをいつも持ち続けて、さらにたくさんのビール好きとつながろうと、目の前にあるビールを表現することばと格闘している、猫背さんのブログを読ませていただくことは、田舎のビール屋にはいつも励みになっています。
by ねこまた屋店主 (2009-08-07 22:20)
いえいえ、こちらこそ毎度お世話になっております笑
ねこまた屋さんはやはり全てお見通しでしたね、私が「格闘」しているサマを笑 まだまだだなあと日々思っておりますが、これからも見捨てずに読んでくださいませm(_ _)m
私もそうはなるまいと意識してはいるのですが、やはり壁ができてしまっているというか、壁を作ろうと思えば作れる状態になってしまっています。でもやっぱり、作り手のメッセージを既存のワクにはめこんで分類してしまうなんて無意味だし、そんなに愉快な作業ではないですよね。
今自分の目の前にあるビールが一番んまい。それだけのことなんですよね。
またお店に行きますね♪
by 猫背 (2009-08-08 21:24)