長浜浪漫ビール 【ホップ・アート】 [現地に突撃♪]
長浜浪漫ビール
2回目の訪問ですん。あっしの職場(出張先)がこの近所にあるのです。交通費ゼロの地ビール探訪。職権をフルに濫用しております
前回は夜中に行ってしまったがために、その魅力を感じきれなかったという反省を踏まえて、今回はがっつり明るいうちに行ってまいりました。ビバ昼酒宣言。
だって夜中だと街灯が少なくて、町全体がお化け屋s(略
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昼の長浜は実に居心地がいいです 風情ある街並み、のんびりとした人の往来、そして穏やかな琵琶湖。
お、長浜駅の写真もあった。遠くに見える緑色の屋根は旧長浜駅舎です。
こんなのほほんタウン長浜に、これまたのどかかつシャレオツな浪漫ビールレストラン。
この建物の前で観光客が大勢写真撮ってました。写真撮るだけでしたが・・・中に入れよorz
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いただきま~す
まず1杯目は限定醸造・ゴールデンエール
ん・・・ま・・・い・・・ 爽快極まりない柑橘系の香味。きりっと引き締まるような酸味も実に心地よいっす
このビールこそが、長浜浪漫ビールの名刺なのでは。浪漫ビールの魅力がこの1杯に全部詰まってる感じ 衒いなく夏を高らかに歌い上げるTUBEみたいなビール。ああなたぁのぉむぅねぇのなぁかぁでぇ(古い
小麦麦芽も使っているようなのですが、実にいい仕事してますな。小麦麦芽のスパイシーさだけをうまいこと引き出して、日本人があまり得意ではない小麦由来の甘味や粉っぽさを感じさせない。絶妙ですね~。
淡い濁りが光に照らされて実にんつくしい この濁りこそが小麦麦芽を使っている証なのでございますよ。
2杯目、ライト長浜エール。これも限定ですん。
ライトというほど軽くはないです。これはレギュラービールの「長浜エール」のライト版、ということなのでしょう。ゴールデンエールよりは色も濃いし、呑みごたえもありますよ。といっても重さは全くありません。麦芽のほのかな甘味が気持ちいいですん 浪漫ビールのアイデンティティであるホップ感もたっぷり。ぐびぐびよりは長い時間かけてだらだら呑みたいピール。
お次はスタウト。ホップの香り、苦味が突出している浪漫ビールラインナップの中で唯一、麦芽の風味が支配的なビール。焦がした麦芽の苦味と甘味が安心感を誘います。前の2杯がホップホップしたビールだったから、なおさら落ち着いたビールに感じます
アルコール度数も実はスタウトが一番低い(4%)のです。スタウトが「休憩&気分転換の1杯」になる醸造所って、浪漫ビール以外にはあまり見当たりませんな笑
んで最後はヴァイツェン。相変わらずホップが効いてますね~。ここまでホップが主張するヴァイツェンも珍しいです。あっしの周りにはコアな浪漫ビールファンがいるのですが、みんな口をそろえてこのホップ感を浪漫ビールの魅力の第一に挙げています
どんな歌でも誰の歌でも自分の歌にしてしまう桑田佳祐みたいに、どんなビールにも貫かれたホップ感、これこそ長浜浪漫イズムなのでしょう。
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店内も実にシャレオツ。天井には洋邦問わずいろんなビールの瓶がずら~り~。
も少しアップにすると・・・
お、シメイの大瓶発見 というかよくこれだけ集めたな・・・感心。
とまあ、ビールは大満足、レストランもシャレオツ、という実にあっぱれな浪漫ビールなのですが・・・今回ややorzな現場に出会ってしまいました。
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「下面発酵ビールって・・・わかる?」
あっしの隣のテーブルに座った年配のご夫婦が、メニューに書かれたビールの解説を見ながらぽろりとこぼした一言です。日本地ビールの現状をこれほど端的に表した言葉はありませんな。。。
これがご夫婦が見ていた解説です↓
読みづらいと思うので以下に打ち直しました。
【淡海ピルスナー チェコのピルゼン発祥、喉越しが良く黄金色に輝き、雪のように白くきめ細かい泡を持つ世界の下面発酵ビールの元祖。】
【長浜エール クラシックなエールを基本とし、ホップによる苦味とフルーティな香りを生かし、浪漫ビールならではの深い味わいに仕上げた自信作。】
麦酒天動説を乗り越えて「こっちの世界」に入って久しいあっしには、一読してその内容と意図はすぐにわかります。しかし、麦酒天動説の真っ只中にいる大多数の日本人、つまり浪漫ビールレストランを訪れるほとんどのお客さんは、この解説を見てどう思うのでしょうか
麦酒天動説を信奉していた頃を思い出して、この解説に突っ込んでみます。
「チェコのピルゼン発祥」←何だ、ドイツじゃないのか、だめじゃん。
「喉越しが良く黄金色に輝き、雪のように白くきめ細かい泡を持つ」←ふむ、つまり普通のビールか。
「下面発酵ビール」←・・・は(?_?)?
「クラシックなエール」←・・・は?エール??
「フルーティ」←う~ん、苦くないのか・・・
突っ込みどころ満載です笑 土地柄的に年配のお客さんが多いのが悲劇に拍車をかけます。この解説を読んで(「呑んで」ではありませんよ、念のため)「ビールってすご~い」と思ったお客さんは、ばっさり言ってしまうと、ゼロでしょう
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何でこんなにも「こっちの世界」って排他的なんでしょう。あらためて自戒しました。
もやしもん8巻でこの排他性、閉鎖性について酷評されていますが、全くもって反論の余地なしです。(それ以外は反論したい箇所がたくさんありますが笑)
こっちの世界に来た人間の役割って、いまだ麦酒天動説にとらわれている人達に少しでもビールの魅力を「わかって」もらうことだとあっしは思っています。難解な用語を並べてハリボテの高級感を出すことではありません。この点ではアサヒのザ・マスターに対する真摯な姿勢は本当に素晴らしいし、どのメーカー(大手、地ビール両方)にもこれから進んでいってほしい方向性だなあ、と思います。
こっちの世界とあっちの世界の間に横たわる溝はアマゾン川みたいなごん太い溝です。でも一度渡ってしまえばそこに待っているのは百花繚乱に咲き乱れる麦酒万華鏡
「渡った人間にウケるための方法」より、「渡りたくても渡り方がわからない人を丁寧に渡してあげる方法」、エラそうに言えば顕在的な客よりも潜在的な客にアピールする方法を真剣に考えねばならないんだなあ、と痛感しました。というかこのブログだってそういう意図で始めたのですが、一体どれほどその目標を達成できているのか・・・
たまに辛口&内省の猫背でしたorz
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【醸造所情報】
長浜浪漫ビール株式会社 〒526-0056 滋賀県長浜市朝日町14-1 TEL:0749-63-4300
【アクセス】
JR長浜駅より徒歩約4分
【URL】
http://www.romanbeer.com/
【関連記事】
前回訪問時の記事 http://nekoze-beer.blog.so-net.ne.jp/2009-03-11
はじめまして、以前神田で長浜&もやしもんのお話をさせていただきましたわとそんです。
長浜いかれたんですねー。
現地でのむとまた格段ですよね。お仕事がらみで行けてうらやましいー。
by わとそん (2009-08-29 13:27)
ごぶさたしてます~♪
長浜にはかなりの頻度で行ってるのですが、なかなか浪漫ビール行く時間はなくて、今回は久しぶりの訪問でした。
ゴールデンエール、激おすすめですよ~!
by 猫背 (2009-08-31 16:22)