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BREWDOG PARADOX LONGROW 【クラフトビア革命@UK】 [イギリスのビール]

○○の肥やし、なんて言葉がございますが。

買ったっきり一度も開かない本はタンスの肥やし、立小便は道路の肥やし、火遊びは芸の肥やし・・・世の中にムダなものなどない[exclamation]というエコな発想で「合理化」というエゴイズムをくるんだ大変便利な言葉です。

で、今回はこの肥やしをいただいとります。


何の肥やしかと。ビール好きならばきっとお持ちのはずです。「冷蔵庫の肥やし」を。

こんな流れで紹介するのはこのビールに対して極めて失礼なのですが、今日のビールはイギリスの醸造所、BREWDOGのPARADOX LONGROWでございます。名誉回復は後ほどたっぷりさせていただきます[あせあせ(飛び散る汗)]

20110123(001).jpg



冷蔵庫の肥やしにはだいたい2つのパターンがあります。


①「意図的に放置」…これはかっこ良く言えば「熟成」ということです。飲み頃になるまで時間をかけて冷蔵庫でじっくりと眠らせる。

②「無意識に放置」…これはかっこ良く言えば「忘却」ということです。今回のビールはこの②により猫背宅冷蔵庫で1年半近く冬眠させられていました。

はっきり申し上げます。BREWDOGのビールを買っておいたことを忘れてしまうとは、禁固1ヶ月ぐらいに相当する無礼です[あせあせ(飛び散る汗)]


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イギリスの新進気鋭の醸造所として最近日本でもたまに目にするようになったBREWDOG。醸造開始は何と2007年4月。まだ4年も経っていないのにこんなに認知される存在になるとはびっくりですな。

さらにびっくりなのは、起業した二人、MartinとJamesは起業当時何と24歳。若い発想とエネルギーが満ち溢れた醸造所なのです[ぴかぴか(新しい)]

BREWDOGのHPに掲載されている起業のきっかけもなかなか刺激的です。

「俺達MartinとJamesは、その頃イギリス市場を席巻していた工業的に造られたラガーやつまらないエールに飽き飽きしてしまっていたんだ。この不愉快な状況をぶち破る一番の方法は、俺達が自分のビールを造ることだって考えたんだ。だから2007年4月、BREWDOGが生まれたのさ。」(猫背訳)


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その起業の精神を裏づけるかのようなパンキッシュなラベル、「PARADOX」「HARDCORE」「TACTICAL NUCLEAR(戦略核兵器)」といったアジテーションに富んだ商品名。んでも「PUNK」ってド直球の名前のビールがあったのには思わず噴きだしてしまった笑 ん~やはり若いのう~、と、上から目線になったのもつかの間、「TOKYO」という商品があったのです。

ほう、トーキョーだと[exclamation&question] こんどはどんな若気の至りの商品名なのかね、と上から目線で説明を読んでみたら、「東京で流行ったインベーダーゲームに触発されて造ったビール」だそうです。ほほう、これはまた酔狂なことを、と思ってさらに上から目線で読んでみると・・・


「四角いドットを並べたカクカクした動きが実に見事に表している実存主義の皮肉、ポストモダニズムのパロディ性と内在的な矛盾を、このビールの中で徹底的に再現したんだ。」


ふぬう、これはなかなか示唆に富んだ発言。やるのう[たらーっ(汗)] 「実存主義」という言葉を相原コージの「コージ苑」のキャラ「実存くん」で知って以来、それっきり使ったことのない猫背よりははるかに知的です。やるのう。。。


ちなみに、インベーダーってこれですよ。

85_spaceimvader.gif



ちなみに、実存くんってこれですよ。

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HPもかなり刺激的です。トップページには「Welcome to the craft beer revolution」の言葉が誇らしげに[ぴかぴか(新しい)]

写真もすごい。大手メーカーの空き瓶の山の上にBREWDOGのビールを並べたり、大手メーカーのビールをギロチンにかけてたり・・・なかなか痛快です笑 ぜひごらんあれ↓
http://www.brewdog.com/


それにしても、最近のイギリスの若者(といっても今は20代後半ですが)がパンクに触れるきっかけって何なのだろう。ピストルズをリアルタイムで体験した世代ではないし、かといってその後の音楽でそこまでアジテーションに富んだものって少ないし・・・音楽以外から入ったのかもなあ、とかいろんな想像を掻き立てられます。

ビールとは関係のない話になってしまいました。が、この醸造所の性格を知っていただくことはこの醸造所のビールを評する上で不可欠なことだとあっしは思いますので、長話をさせていただきました。あ、長話はいつも通りか[あせあせ(飛び散る汗)]


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このPARADOX LONGROWはスタウトをウイスキー樽で6ヶ月熟成させたビール。度数は10%に達し、ウィスキーのスモーキーな香りとテイストがビールに移って実に複雑な味わいを描き出すわけです[グッド(上向き矢印)] ちなみにLONGROWというのがそのウィスキーの名前です。

ビールをウイスキー樽で寝かせるとは何てことを!と思われるかもしれませんが、まあ考えてみればビールもウイスキーも原料は麦なわけですから異母兄弟的な関係なのですよ。その兄弟がこういう形で再会するのもいいんぢゃないですかね。

ちなみにビールを他の酒の樽で熟成させるという方法は決して珍しいものではありません。オーク樽で寝かしたビールなんかもありますね。


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いただきま~す。6ヶ月の樽熟成+1年半の放置プレイの結果は・・・



泡立ち・・・弱っ[あせあせ(飛び散る汗)] 泡を立てようとしないと立たない。まあこんな長いことほっといたら無理もない。。。

ビールの泡は麦汁中のタンパク質とホップに含まれるイソフムロンという成分に由来するものです。で、ビールを長時間保存しておくとこのタンパク質がビールの中に残存している酵母によって分解されてしまい、結果として泡が立たなくなる、という理由らしいです。

香り。焙煎麦芽の香りに混じって、あきらかにウィスキーのスモーキーな香り。お~異次元体験~[るんるん]

呑んだらウィスキーの香りが炸裂。ビールとしてのキャラクターは、後味に残る渋みと苦味にわずかに残るのみ。ビール、特にスタウトならではのロースト麦芽に由来する焦げ感やボディ感は希薄。これは、完全にウィスキーに乗っ取られてしまってます。。。



すんごく矮小化した喩えでいうと、ウィスキーにコーヒー混ぜて呑んでる感じ。んまくないわけでは決してないのですが、期待の大きさに比べると・・・[たらーっ(汗)]という感じです。

と、ぶちぶちと湧いてくる不満を頭の中で潰しながらふと瓶の横を見てみると・・・

IMG_0007.jpg

ベストを1年以上もオーバーしてました。すみません、私が悪うございましたm(_ _)m[あせあせ(飛び散る汗)] ドSなラベルが示す通り、放置プレイは苦手だったようです。。。。

何でも長く置いとけばいいわけぢゃない、ということですな。いずれリベンジせねば。。。


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フラーズ ESB 【伝統的英国ビター】 [イギリスのビール]

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フラーズ ESB[ビール][ぴかぴか(新しい)]

今日は珍しくイギリスのビールです。呑んでないわけぢゃないんですが、イギリスのビールは情報が少なくて調べるのがいろいろと大変で[あせあせ(飛び散る汗)]


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フラーズはイギリス・ロンドンの醸造所で、その歴史はなんと350年。受賞歴も数知れずで、"Campaign For Real Ale Champion Beer of Britain"という何やらすごそうな賞を過去に5回もいただいているそうです[ぴかぴか(新しい)]

で、ESBとは「エクストラ・スベシャル・ビター」の略です。ビターというのは簡単に言えばイギリスで「ビール」を指す一般的な言葉です。ESB…訳すと「特に特に苦い」。チャラく言えば「まぢ超苦いんですけどぉ~」。こ、これは心して呑まねば・・・






ぐびっ[ビール]








苦いいいい[exclamation] 激しく苦い。舌の奥が覚醒してます。

ぬるりとした舌触りが苦さを倍増させてますな。でもただ苦いだけぢゃ漢方薬です。ホップの苦さをしっかりとした麦芽のコクや甘さできっちりフォローしてます。実に複雑で奥深い味[ぴかぴか(新しい)]

一口目は「ん~?」だったのですが、呑みすすめるうちに、味覚触覚嗅覚に絶え間なく語りかけてくるこの複雑さがだんだんクセになってきました。やばい、これははまります。身近なところで例えれば、ヤッホーブルーイングの「インドの青鬼」を少しモルティにした感じですかね。


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で、呑みながら香りやフレーバーがどことな~くオルヴァルに似てるなあ、と思っていたのですが。調べてみたらフラーズの別のビールがオルヴァル同様に、ゴールディングス種のホップをドライホッピングしていました。ということはこのESBも同様の手法を用いてるのでしょうね。

ドライホッピングというのはホップの使い方の一つです。

通常ホップは麦汁を煮沸する際に同時に投入して、麦汁に苦味をつけます。それに対して、貯蔵して二次発酵させる時にも新たにホップを投入して独特の香りや苦味をつける方法をドライホッピングといいます。ベルギーのビールでドライホッピングをしているのはオルヴァルぐらいですが、イギリスのビールにはよく用いられる方法なのです。




初見で「んま~い!」はなくても、知らず知らずのうちにハマっていく・・・ふとした瞬間に呑みたくなる。そんな魔力を秘めたビールです[るんるん]

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サミュエルスミス ペールエール [イギリスのビール]

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サミュエルスミス・ペールエール[ビール][ぴかぴか(新しい)]

ペールエールって種類のビールはわりかしよく目にしますな。銀河高原がペールエール出したり、最近ではよなよなエールが近所の量販店でもお目にかかるようになった。いい日本になったなあ。


んで、ペールエールにも流派がいろいろあるようなのです。簡単に分けると「アメリカンペールエール」と「イングリッシュペールエール」となります。


違いはまあいろいろあるんでしょうが、一番の違いは使ってるホップの違いらしいです。

アメリカンはカスケードという日本でもおなじみ(よなよなエールで顕著に感じられる香りです)のホップを主に使ったペールエールで、これはとにかく果実香が実にすんばらしい[ぴかぴか(新しい)] グレープフルーツみたいな香りが呑む者をヘブンへと誘うのです。

に対してブリティッシュはイギリス産のホップ(フグルズ、ゴールディングスなど)を使ったもので、これは紅茶のような、ハーブのような可憐な香りが特徴だす[るんるん]


でも、日本で市民権を得ているのは圧倒的にアメリカンな気がします。これは言うまでもなくよなよなの大功績であります。

「金色で苦いのばっかりがビールなんぢゃない!!」ということが身をもって、いや、舌をもって納得できるビールですな、よなよなは。



んでもそのせいだか何だかはわかりませんが、ブリティッシュペールエールはどうもイマイチ認知されていないような・・・[たらーっ(汗)]

日本で一番お目にかかるブリペ(略しました)はバス社のペールエール。これも樽生は実に美味。アサヒが扱っていることもあって、ビアバーなんかではよく出会いますな。


んでもどうもペールエールというと日本人はアメペの味を想像してしまうようで、この間どこかの呑み屋で何も知らずにバスを頼んだ男性グループが

「これ・・・焼酎入ってるん・・・?[たらーっ(汗)]


焼酎てお兄さん、ホッピーか笑

とまあ、つれない反応をされてしまう場合が多いようです。


そんな過去をお持ちのあなた、バスがいまいちだと思ったアナタ、またはアメペの果実香があまり好きでないというYou[exclamation×2]

ぜひこのサミュエルスミスペールエールをご一飲あれ[ぴかぴか(新しい)][ぴかぴか(新しい)]


控え目ではありますがハーブみたいなホップ香がほのかに香ります。

で、何がすばらしいって、口に含んだ瞬間キリッとした苦味とともに、麦芽由来でしょうかね、木みたいなナッツみたいなほんのり甘くやわらか~いフレーバーが。

鼻からはハーブ、口の中には森の香り。んんん~、ビバ森林浴[ぴかぴか(新しい)] 温度が上がるほど木の香りが出てきますよん。

ちなみにサミュエルスミスはヨークシャー地方にある醸造所で、伝統的な手の込んだ2階建ての発酵槽でんまいビールをいろいろ作ってるそうですよん。

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