アサヒ ベルジャンエール 【王者の醸すベルギービール】 [日本の大手ビール]
待ってました~ベルジャンホワイト~
だと思っていたらベルジャンホワイトではなく,ベルジャンエールでした。。。
前にネットでちらっと見たとき「ホワイト」に見えた気がしたので,ホワイトだと思い込んでましたorz
ベルジャンホワイトってのは日本でもよく見かけるヒューガルデンホワイトに代表される,小麦やコリアンダーやオレンジピールを使った実に爽やか&スパイシーな白色ビールだす。
やる気まんまんでヒューガルデングラスに注いでみたら,そこに溢れ出たのは金色に輝くビール!いや~思い込みとは恐ろしいものだ
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ベルジャンエールってのをごく簡単にくくってしまうと「ベルギーで作られているエールビール」ってことです。
エールビールっのては,日本の大手メーカーの金色ビールみたいなクリアなキレを生み出す酵母(ラガー酵母といいます)ではなく,フルーティで複雑な香味を生み出す酵母(エール酵母といいます)を使って醸造したビールのことです。
ちなみに,人間がビールを愛飲し始めて以来の歴史の大半を占めているのはエール酵母によるビールなのですよ ラガー酵母は低温でないと発酵しないために,活躍するにはどうしても冷蔵設備という近代の産物が必要なのです。というわけでラガー酵母によるビールが盛んに造られはじめたのはここ数世紀の話。人間とともにヘベレケの歴史を彩ってきたのはエール酵母による芳醇なビール達なのです。
というわけでアサヒが今回手がけたのは,主力のスーパードライやザ・マスターなどとは全くタイプの異なるビールと言っていいでしょう。実験精神にもほどがありますが,いや~さすがアサヒ,実に美味でございます
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注いだらまあまずは香ってみてくださいよ。明らかにスーパードライとかとは違う香りがしますよね。ホップのシャキッ!とした草のような香りとは違う,みずみずしい梨のような。そう,そのフルーティな香りこそがエール酵母が生み出したものなのです 微生物達の営みを感じてください~。
呑んでみたら・・・明らかに「甘い!」ですよね。その甘味は麦芽に由来する部分もあると思いますが,おそらくは副原料に用いられている糖類に由来する甘さです。ちなみに,世界ビール紀行第1弾の「メルツェン」の味を覚えている方,あのビールの甘さは糖類ではなく麦芽に由来するものです。明らかに質が違いますよね。
キャンディシュガーのような,ストレートだけどやわらかい甘味。この甘味がもたらすボディ感,簡単に言えばどっしり感こそがベルギーのビールの真骨頂。アサヒはそこんとこうまくやってますね~。甘すぎたら日本人的には「どひゃ~!」となるし,甘くなさすぎたらベルジャンエールじゃなくなる。ギリギリの和解点を模索して,見事に着地していると思います
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「ベルギーのビールって,甘くてさぁ・・・」
猫背が非常によく耳にするビールに関する苦情?です。百花繚乱の多様性を誇るベルギービールを一般化することは不可能なのですが,日本人からしたら概して「甘い」さらに言えば「甘ったるい」という感覚はついてまわると思われます。んでもそういう文句言う人に限って甘口の日本酒が大好きだったり,ブランデーをたしなんでいたりするから,まあ何とも・・・ですな。麦酒天動説,恐るべし。
(麦酒天動説…「ビールは金色で苦いものだ」という日本人特有の思い込み。猫背の造語だす。)
何故ビールにわざわざ糖類を入れるのか!やめたまえ!!という日本人の怒りに僭越ながらお答えしますと・・・
猫背的主観では,糖類を入れる目的を大別すると2つあると思われます。
① 酵母のエサとして入れる
ベルギーのビールの中には,瓶詰めされた後でも瓶の中で酵母が発酵を続けて香味を整えるものがあります。そういうビールは瓶詰め時に酵母と一緒に酵母のエサとなる糖類を少量入れてやるのです。
② バランスを整える
ベルギーのビールはアルコール度数が10%を越えるものがあったり,いろんなスパイスを使っているのがあったり,その幅広さは日本のビールの比ではありません。もしアルコール10%のビールに甘味が全くなかったら・・・アルコールの辛さが強すぎてきっとまともに呑めるシロモノでなくなってしまうと思われます。スパイス使っているものも同じことです。どっしりした甘味がアルコールの辛味やスパイシーさときれいに対比されて味のバランスを保つ。んん~妙技ですな。
今回のアサヒのベルジャンエールの糖類はもちろん②が目的です。6.5%と本場ベルギーのものに比べたらやや控え目なアルコール度数なので,あまりバランス感は感じませんが,本場のものを忠実にかつ日本的に再現しようとした意欲はびしびしと感じます
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もし少しでもベルギーのビールに興味持っていただけたら,お近くのスーパーのビールコーナーを隅から隅までよくよくご覧になってください。最近はアサヒがいくつかの銘柄の輸入を扱っているので,割によく見ますよ,ベルギービール。
比較的入手しやすいのは「Leffe Blonde(レフ・ブロンド)」,今回アサヒはおそらくこれをイメージしたんぢゃないかなあという「Duvel(デュベル)」,象のラベルが愉快な「Delirium Tremens(デリリウム・トレメンス)」などは今回のアサヒのビールに比較的香味が近いものです。おっと,デュベルとデリリウムはアルコール度数9%ありますからご注意。本場ベルギーの底力を鼻と舌と肝臓で体感してください